9人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
それから三日三晩、ゾンビとゾンビに噛まれた傷がある奴の頭を、撃ち抜いていて回る。
俺以外にも、刑務所の中でゾンビの駆除を行っている奴らが何人かいたが、俺はそいつらと一緒にゾンビ狩りを行わず、1人でゾンビ狩りを行った。
刑務所にはあの日、囚人に看守や職員を含めて300人以上の人間がいた筈だが、囚人の大部分はどさくさに紛れて脱獄したようである。
刑務所内をうろつきゾンビに出会わなくなると、疲れた身体を引きずるように所長室に向かう。
所長室で見つけたコーヒー豆で淹れたコーヒーを飲み、所長室の隣にある監視室のモニターを眺め、刑務所内をさ迷うゾンビの姿を探す。
その俺の耳に、所長室に向かってくる足音が入る。
コーヒーカップをテーブルの上に置き、拳銃の残弾を確認。
ドアを開け中に入ってきた奴に拳銃を突きつける。
入ってきた奴も俺に気が付き、手に持っていた拳銃を俺に突きつけた。
俺が声をかける前に、そいつが先に質問してくる。
「ゾンビじゃ無いよな? 噛まれてもいないよな?」
俺は拳銃をベルトに戻し返事を返す。
「ああ、噛まれていないしゾンビでも無い。
まあ立ち話しも何だ。
入って座れよ」
返事を返しながらモニター前の椅子を指し示した。
だが奴は椅子に腰掛けようとせず、話しを続ける。
「ここから逃げようぜ。
俺1人だと逃げきれるか分からないが、あんたと2人なら確実に逃げられる筈だ」
最初のコメントを投稿しよう!