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第一章
学校から帰ると、冷蔵庫の前に小さな裸の女の子がいた。
貧乳だった。
一言でいうと、ロリだった。
ホイップとカスタードを口の周りに付けて、何かをほうばっている。
「だっ……」
「もぐっ?」
女の子は、口に含んだままパッチリした目で僕の方を見る。
けっこう可愛い。僕のロリコン指数がもう少し高かったら、十分に射程範囲内だ。
クリームが体中についていて、かろうじて健全な絵面に……、はなってないね。むしろ逆にまずい雰囲になってる。
いや、今はそんなことは問題じゃない。
「誰だ、お前!」
見知らぬ子がどうして家に入ってるの? 普通に不法侵入だよね? そもそもなんで何も着てないの?
しかも僕が楽しみにしていた、一日五十個限定のシュークリームを何の遠慮もないかのようにほうばっている。もうほとんど残ってない。
どうしてくれるんだ。それ買うのけっこう苦労したんだよ。ロリかつ美少女だからって、なんでも許してもらえると思ったら大間違いなんだからね!
それによく考えるとこの状況って、何も知らない人が見たら僕がこの子連れ込んで脱がせたように見えない? 冤罪だ。僕はロリっぽいキャラが好きだとは言っても、せいぜい下限は中学生くらいで、こんなどう見ても小学生にしか見えない子にはあんまり性的な感情を抱かないというのに。
女の子は口の中の黄色いどろっとしたものと、白いどろっとしたものをごっくんと飲み込んで。
「初めまして。わたしは憐奈葵れんな あおいと言います」
丁寧な口調でそう言った。
いや、自己紹介とかいいんだよ。それよりもっと大事なことがあるでしょ。
「君、どうして服を着てないの?」
女の子、葵ちゃんは目を見開いて。
「失礼しました! ここに来る段階で何らかの抜け目があったみたいで」
抜け目しかないよね! っていうかそこは抜ける可能性のあるところなの?
「というわけで、大きめのTシャツを貸してください」
何がどうなって「というわけで」となるのかはさっぱりわかんないけど、このまま全裸でいられるわけにもいかないので、引出しから取り出した父親の大きなTシャツを渡して、ついでに自分も制服から私服に着替えた。
女の子をリビングの椅子に座らせ、僕もその向かい側に着席した。
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