1話(1)政略結婚 ~留奈side~

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「自分の全てを委ねる女って…愛しさが高まるし、その分…苛め甲斐もありそうだ」 彼にとって妻はストレス解消の存在? 優しい顔をしているクセに中身はとんでもなく自己中な人。 私は絶対にこんな人と結婚したくない!! 「私は貴方みたいなタイプは大嫌い!!」 「・・・」 彼は一瞬だけ鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。 でも、私の言葉を無視する。 「早速、君のお父様に挨拶に行こう」 「私の言葉訊いてました??私は貴方のコトが大嫌いだと言ってるんですよ」 「この俺に逆らえるとでも思ってるのか?いいから、来いよ」 「待ってよ!私は本当に貴方と結婚なんて嫌です」 スツールから立ち上がった彼の腕を掴んだ。 「留奈の方から俺に触れて来るなんて嬉しいね・・・」 「私は貴方を引き止める為に・・・」 彼は私の手に自分の手を重ねて、やんわりと離した。 その手は私よりも大きく力が強い。 「白く小さな可愛い手だな。苦労知らずのお嬢様の手だ」 「離して下さい」 私は手は彼の手に包み込まれてしまった。
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