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彼は私をこの夜景で酔わせキスでもしようと思ったのかもしれないけど。
彼の見え過ぎた下心に激しく抵抗した。
「私は世間を知らないけど、男の見る目位はあります。貴方は最低です。仕事が出来るからって中身がイケメンだとは限りません」
桐生社長は盛大な溜息を漏らす。
「あの時も随分と俺を振り回してくれたが…今も振り回してくれるな…完全にお前のペースだ」
桐生社長は苛立ったように吐き捨てる。
――――あの時って??
私が考え込んでいると今度は両手で腰を抱かれ、その勢いでキスを落とされた。
軽いキスと思いきや、いきなり舌を絡めたディープなキスを落とされる。
―――――力でねじ伏せるかのような傲慢なキス。
暴君のような彼らしいキスだった。
離そうとしても離せない。
私の口内に侵入した彼の舌が舌に強く絡まるのだ。
まるで、蛇が獲物に自分の身体を巻き付けて、息の根を止めるかのように、彼の舌は私の舌を捕らえて離さなかった。
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