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「今夜は桐生建設の大切な創立パーティです。ともかく早く会場に・・・」
「その前に俺の話を訊いて下さい。藤ヶ谷社長」
桐生社長が頭を上げて額に零れた長い前髪を掻き上げた。
「藤ヶ谷社長とは公私ともに仲良くしたいと思っています。俺に留奈さんを下さい!!」
「ち、ちょっと待って下さい!!留奈はまだ…高校に入ったばかりで…それに年もまだ・・・」
「女は16歳で親の許しさえあれば結婚出来ます!留奈さんは今年16歳ですよね」
「…確かに6月の誕生日が来れば16歳ですが…桐生社長にはもっとお似合いの人が・・・」
「皆が見てますよ。藤ヶ谷社長。俺達はこれから大きな仕事をするパートナーなのに…断るとは心外だ」
お父さんはギュッと唇を噛み締める。
24歳の桐生社長。
彼の力は絶大だった。
お父さんの力をもってしても敵わない相手ーーー・・・
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