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「桐生社長の性格にはクセがあるけど…彼は俺から見ても凄腕。若干22歳で社長就任し、僅か2年で社長としての成果を出している。あれだけの大手ゼネコンを束めるのは至難の技だと思うよ」
「・・・」
仕事が出来るのは分かった。
濱部社長もやり手だとお父さんから訊いている。
そんな濱部社長が認めるんだから…桐生社長も凄いんだと思う。
でも、彼のあの性格が気に入らない。
断りたくても断れない結婚。
「桐生社長の凄さは理解出来ました。ありがとうございます」
「君はまだ15歳。自分の人生設計はこれからだと思う。女性にとって結婚は人生の最大の岐路だ。父親の為に結婚しようと思うなら、やめた方がいい」
「でも・・・」
「俺が藤ヶ谷社長と桐生社長の間に立って、この縁談話は無かったコトにしてあげてもいい」
そうして欲しい所だけど。
全く関係のない濱部社長にまで迷惑を掛けたくない。
――――――私と彼の問題。他人を巻き込みたくない。
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