(2)婚約発表~留奈side~

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私は再び桐生社長を探す。 「!!?」 彼は大物政治家・伊集院衆議院議員と話をしていた。 近づきたくても近づけない雰囲気。 伊集院衆議院議員がチラリと私を見た。 「桐生社長…噂の藤ヶ谷社長のご令嬢が会いに来たぞ」 桐生社長も私に目を向ける。 「今度は伊集院様の前で俺を罵倒するつもりか?」 「いえ・・・」 私は恐る恐る彼に近づき、伊集院衆議院議員に頭を下げた。 大物政治家まで招待されているパーティとは、『桐生建設』は想像以上に大きい。 「桐生社長の様子を見ていると、藤ヶ谷社長の令嬢に本気のようだ。彼は出来る男だ。どうだ?真剣に考えてもいいと思うぞ」 伊集院衆議院議員が自ら私を説得し始める。 私達は益々窮地に追い込まれてしまったーーー・・・ 私と桐生社長は黙って訊いていた。私には横柄は態度を取る彼も大物政治家の前では猫を被る。 「若い二人が結婚するんだ。少子高齢化の我が国にとっては子を増やすまたとないチャンス。二人共お似合いだから…結婚しなさい」 伊集院衆議院議員はそう締め括った。 「…伊集院様もそうおしゃってる…どうする?留奈」 彼は気安く私の名前を呼び捨てる。 誰が何と言おうと、私は絶対に嫌。嫌いな男と結婚してその上Hして…子を産むなんて…今は考えられない。
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