第2章 罠だったとしても

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時間にして18時を廻った頃で、空はうっすらと暗くなり始めている。 秋葉原の街は、街灯や建物の灯り、車のライトで夜の雰囲気を徐々に醸し出してきていた。 中央通りと昌平橋通りの間の狭い路地には、所狭しと様々なジャンルの店舗がごった返している。 そんな店舗の列なりに、行きつけのゲームショップがある。 -VRoom- そう書かれた電飾看板がチカチカと頼りなげに光っている。 いい加減、電球替えればいいのに。 週末だし、いつもの癖で店入っちゃったけど……。 財布の中身を確認する。 はぁー。今月もお金厳しいなー。 『ガラガラガラ……』 あたしが店に入ったタイミングで、店長がポップにタイムセールと書かれたワゴンを引いて現れる。
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