一日目

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廊下を見るとまだ玄関を見つめている。どんな音が聞こえているのか気になり、夕食を中断してミーコの見ている方角の扉に耳を当ててみる。 何も聞こえない。 神経をとがらせてジーーっと聞き耳を立てるとお隣の家のTVの音と思われる話し声が聞こえてきた。 「この音が気になってるの?」 そう言いながらミーコのいた場所に振り返る、けれどミーコの姿は消えていた。 居間のほうでカリカリと小気味いい音をたててご飯を食べていた。少し呆れたような驚いたような表情でつい呟いた。 「気まぐれすぎだろ」 くすくすと笑いながら彼も食卓へ戻る。 食べ終わり食器を片付けている彼をジーーっと見つめるミーコ。 遊びたくてうずうずしているのがわかる。 「ちょっとまって?すぅぐおわるからなぁ」 話しかけながら急いで洗い物を終わらせると、今日の買い物のときにもらったビニール袋をがさがさと広げ、持ち手の部分のわっかをはさみで切り、首に引っかからないようにする。 その様子をキラキラした瞳でせかすように見つめている。はさみで切り終わり彼女の前でビニール袋を広げると、きちんと広げ終わるのを待てないのかミーコが飛びこんできた。 「はははは、そんな急ぐなって」 ビニール袋の中にすっぽり入り込んだミーコの体の下に人差し指をゆっくり差し込むと待ってましたと言わんばかりに彼女が指を捕まえようと、袋の中を右往左往する。 その必死な姿があまりにもかわいくて、思わず顔がにやけてくる。 ひとしきりビニール袋で遊ぶと、満足したようにその場を離れ彼女専用の座布団に座り込み、寝支度の毛づくろいを始めた。 「よっしゃ!んじゃぁ歯ぁみがくかな」 遊び終わってボロボロになったビニールをプラスチック用のごみ袋に捨てる。 歯を磨き終わり居間に戻ると彼女の姿はもうなかった。いつものように自分の寝床に戻ったようだ。クローゼットの中でごそごそと寝床を整えている音が聞こえる。 「おやすみなぁ」 クローゼットにむかってそう言うと電気を消しベットに寝転ぶ。スマートフォンで気になっていた動画を見ながらうとうとしている内に眠ってしまった
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