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確かにアタチは室内飼いこぶたで、寝るときはベッド。でも寝藁の感触も好きで、それを敷き詰めた狭いスペースでいつもゴロゴロしている。
でもトリュフ探しはキライ。腰も鼻も痛くなるし、なかなか見つかんないんだもん。
『お前を食べさせてくれないなら、せめてトリュフで儲けさせろ』って二人は言うけど、本気だとは思っていなかった。
それでもアタチたち、仲良く暮らしてたんじゃなかったの?
春にはお花見。
ハチがお弁当作って、カイが秘蔵のワインを用意して、アタチが前の日から一晩中場所取りして。
夏は海水浴。
日焼けすると水ぶくれになっちゃうアタチの為に、二人は小さなパラソルを頭と胴体に括り付けてくれた。
秋は国立科学博物館~脊椎動物のたどった道、生命大躍進特別展~。
二人は大はしゃぎで、アノマロカリス(カンブリア紀最強の捕食者)のフィギュアを買ってくれた。
そして冬は三人でコタツでみかんを食べながら、毎年紅白歌合戦にツッコミを入れる……。
(楽しかったのはアタチだけ? 二人は寝藁の交換にもうんざりしてて、トリュフも探さない役立たずは邪魔だったの……?)
どうしたらいいのかわからなくなって、アタチはそーっとトイレから出て……そのまま家を出た。
二人に『さがさないで!』とだけ、メールを残して――。
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