39人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああっ、濁点のとこ《ま》って打ってるぅ! ビックリマークも《れ》に! ひづめがミスタッチーー!」
なんてことだ。アタチのひづめは微妙なタッチが苦手ではあるが、どうやら見直しもせずに送信してしまったらしい。
「ミスタッチ? この前ピンクの可愛いタッチペン買ってあげたでしょ、あれどーした?」
「え、えと……失くし、ちゃった……」
「はあっ!? このガキャ、何本失くせば気が済むんじゃあぁぁぁ!」
逃げようとしたけど時すでに遅し。
ハチにギュッと掴まれて持ち上げられた、無力すぎるアタチ。
「プギー! ごめんなさいごめんなさいぃぃぃ!」
暴れる手足とお腹に、ふわっとあったかい何かが触れた。
「全く……そのだらしないトコ、なんとかならないの? アレ、自分だって気に入ってたでしょーが」
キュッキュッとあったかい蒸しタオルが、アタチの泥だらけのお腹と手足を綺麗に拭っていく。
(ハチ……)
いや、でもこういうのもホントは面倒でうんざりしてるんだ。だってアタチの居ないトコで話してたのが本音だもん。
それでも切り出せずにモジモジしていると、今度はのんきな顔したカイが現れた。
最初のコメントを投稿しよう!