こぶたのまーち

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「ああっ、濁点のとこ《ま》って打ってるぅ! ビックリマークも《れ》に! ひづめがミスタッチーー!」  なんてことだ。アタチのひづめは微妙なタッチが苦手ではあるが、どうやら見直しもせずに送信してしまったらしい。 「ミスタッチ? この前ピンクの可愛いタッチペン買ってあげたでしょ、あれどーした?」 「え、えと……失くし、ちゃった……」 「はあっ!? このガキャ、何本失くせば気が済むんじゃあぁぁぁ!」  逃げようとしたけど時すでに遅し。  ハチにギュッと掴まれて持ち上げられた、無力すぎるアタチ。 「プギー! ごめんなさいごめんなさいぃぃぃ!」  暴れる手足とお腹に、ふわっとあったかい何かが触れた。 「全く……そのだらしないトコ、なんとかならないの? アレ、自分だって気に入ってたでしょーが」  キュッキュッとあったかい蒸しタオルが、アタチの泥だらけのお腹と手足を綺麗に拭っていく。 (ハチ……)  いや、でもこういうのもホントは面倒でうんざりしてるんだ。だってアタチの居ないトコで話してたのが本音だもん。  それでも切り出せずにモジモジしていると、今度はのんきな顔したカイが現れた。
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