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大男は歌舞伎面で表情が全く読めないが、目に戸惑いの色を浮かべている。
「なあ少年よ。少しは拙者の話を聞いてはくれぬか。」
「だから何?」
「お前の願いを三つだけ叶えてやろうというのだ。」
ひろきは、伸びた麺を口に運びながら大きなため息を吐いた。
「おじさん、母さんに頼まれて来たんだろうけど。俺さ、家庭教師なんていらないから帰ってよ。」
大男の目には、ますます戸惑いの色が濃くなっていく。
「いや・・、その・・、何だ。拙者はただお前の願いをだな・・。」
「だからもうそれ聞き飽きた。スモーク炊いて歌舞伎のコスプレしても俺全く興味無しだからさ。さっさと帰ってよ。」
ひろきと大男は、しばらくの間無言で睨み合った。
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