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そしてそれを聞いていたおじいさんは、エンドゥの隣へ並び、そのまま土下座をし言った。
「義理とは言え、こいつはわしの息子じゃ…。もう痛めつけるのはやめてくれ…。それに息子の罪は、親のワシの罪でもある。どうか…もうやめてくれ」
「親父!やめろ!親父は悪くないじゃないか!」
「いや…元々はワシが金貸しなんぞを生業としていたのが悪いんじゃ…。だから娘も孫も不幸になった。お主にも辛い思いをさせた…すまんのぅ…」
そんな二人に近寄り、まるひよこさんは真剣な顔で話を始める。
「要するにだ、あんたらは同じ人を大事に思っていて、やり方が違うからこうなった訳だろ?亡くなった人は戻ってはこない。だけどラフェイリには二人とも幸せになって貰いたいだけなんだろ?」
「あんたの言う通りかもしれない。だが娘のあの可哀想な姿で、どうやって幸せになれと言うんだ…。女の子なんだぞ…ちくしょう…」
ポロポロと涙を流して、ラフェイリを見つめるエンドゥに、わたしもついもらい泣きしてしまった。
「わかった。なら、お前の娘の姿をこいつが治す。そしたらこのじいさんの願いと、ラフェイリの願いを聞いてやれ」
そう言いながら、わたしを指差すまるひよこさん。
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