決着。ラスベイガンス

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「おねぇさま。ひとまずもう1度やってみましょう」 「そ、そうねオーエルン」 円陣を組んだまま、ラフェイリを四人で取り囲む。 「な、なんですか…?」 不安な声が仮面の奥から聞こえてきたが、そんな事聞いてられない。 「ジャギコさん、ちょっと腕を借りますね。では…いきます…。ヒール!」 魔法陣がジャギコの腕に広がる。 しかし、ケロイド状の腕は全く変化がない。 「めぴこ、魔力を抑えないで全開でやってみたらどうだ?」 「わかりました」 ミーシャに貰った杖を呼び出して、今度は杖を媒介にした魔力全開のヒールを送る。 「アークヒール!!!」 「ぎゃああ!いだぁぁぁぁぁい!!!」 余波をくらったオーエルンが円陣から外れ、床を転げ回るほどの魔力を込めたヒールだ。 これで変化がないなら… 「めぴこちゃん…全く変わりませんわ…」 「やべぇなこれ…」 全くと言って良いほど、変化がありません… 「ど、どうしましょ…あはは…」 「どうすんだよマリア!」 「知りませんわ!あなたが言い出した事でしょ!」 ヒールを止めた円陣に、ふらふらと戻ってきたオーエルンが加わり、再び作戦会議が始まる。 「さて…どうやってこの場から逃げる?」 「ちょっと!まるひよこさん、もう逃げる算段ですか!」 「さっきのおねぇさまの魔力でも変化がないのでは、どうしようもありませんのでは?」 「そうですわね…。困りましたわ…」 「せめて出来たばかりの火傷なら、瀕死の大火傷だとしても治す自信はあるのだけど…」 はぁ…と四人でため息をついていると 「それならばもう一度焼いてしまえば宜しいのでは?」 と、聞き覚えがある声が。
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