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わたしが躊躇していると、話を聞いていたジャギコが小さな声で言った。
「やって下さい。わたしの体が元に戻る可能性が少しでもあるなら。やって下さい、お願いします」
鉄仮面を顔から外し、膨れあがって開きづらい瞼を一生懸命開けて、開きづらい口を片側だけ大きく開けて、そして所々抜け落ちて髪がないぼろぼろの頭を、何度も何度もわたし達に下げた。
わたし達はそんなジャギコの姿を見て決意した。
「わかった。お前、絶対に治すから、わたしの炎に耐えろよ」
「わたしもブラックアウト上等ってくらいの魔力を使うね」
「おねぇさまの魔力はわたしに任せなさい!むちゅーで解決です!」
となれば…
「はい、ここはわたくしの出番ですわね?」
さすがマリアさん、察しが良いです。
これから行う事は、きっと家族には見ていられない光景となる。
「はい、ではエンドゥさんも、おじいさんも、それから護衛の方々も全員外にでますわよ!」
「なぜじゃ!」
「娘をどうする気だ!」
するとマリアさんは笑いながら言った。
「これからラフェイリの全裸を晒す事になりますけど。いくら身内とは言えレディですわよ?恥ずかしい思いをさせて良いならどうぞ残って見て下さいませ」
確かに服を脱がせたら全裸だ。
ナイスな言い訳、さすがマリアさん!
「ラフェイリ、まるひよこ、めぴこちゃん、オーエルン以外は外にいきますわよー!あとオーエルン、わたし達が出ていったら鍵は閉めなさい。わかったわね?」
「はい、マリアおねぇさま」
言いながら、みんなを引き連れてマリアさんも出ていった。
「まるひよこさん、なんで鍵まで?」
「さあな?誰も入れたくないからじゃないか?さて、腕から始めるか。めぴこ、オーエルン、そしてジャギコ。準備はいいか?」
服を脱いで全身がケロイド状の裸体でジャギコは頷いた。
「じゃあまずは右腕からいくぞ…。ジャギコ、気合いをいれろよ!いくぞ!ファイア!」
「あああああああっっ!!!!いやぁぁぁぁ!!!痛い!痛い!あああっ!!!ぐぅぅぅっ!!」
右腕の部分を、炎が焼き付くす。
叫び暴れるジャギコを、オーエルンが空間固定魔法で縛りつけた。
ジャギコは涙を流して、食い縛った口からは血が滴り落ちている。
肉が焼けたような鼻腔を刺激するその臭い。
人間が焼ける生々しい臭い…
正直吐き気がした…
だけど吐くわけにはいかない。
ジャギコが頑張ってるのだから。
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