決着。ラスベイガンス

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久しぶりの外の世界の空気が、こんなに美味しいと感じたのは、ベッドから起き上がり歩きだして、ようやく目が覚めたころだ。 だけど反面、ブラックアウトを起こして眠ったまま運ばれて来たせいか、砂ぼこりの舞う洞窟が妙に懐かしく、少し物足りないとも感じた。 慣れとは恐ろしいものだ。 オーエルンと一緒に廊下にでて、隣の部屋の扉の前に立つと、開けなくてもわかるほどに騒がしい声が聞こえてきた。 ラフェイリやエンドゥ、そしておじいさんの笑い声。 まるひよこさんやマリアさんに飲まされて、悲鳴をあげてるエーコやエシリアの声。 でも、どの声も楽しそうな声だ。 「おねぇさま!中に入りましょう」 「そうね」 扉を開けると、一斉に視線がわたしに集まり、その後にすぐラフェイリがわたしに飛び付いてきた。 薄い赤茶けた髪色と、茶色の瞳、そして白くきめ細かい肌。 本当のラフェイリの姿をみて、良かったと改めて感じた。 「めぴこさん、やっと起きてくれましたか。これでようやくきちんとお礼が言えます。本当にありがとうございます」 照れくさいから少しだけ頷き返事に変えた。 それよりも気になったのはマリアさんの顔。 すっかり良くなっていた事の方が嬉しかった。 「めぴこさん!!!この度は…マリアさんには本当に失礼な事を…!」 「すまなかった!」 今度はエーコとエンドゥがやってきた。 ジャパニーズ土下座をする二人を立たせ、マリアさんが許したなら、わたしがどうこういうつもりはない事を伝えた。 ニヤニヤと笑うまるひよこさんとマリアさんの間へと歩みより、オーエルンが準備してくれた椅子へと座る。 「まるひよこさん、マリアさん。呑気にエンドゥと呑んでる場合なんですか?お金、どうするんですか」 そう。 わたしは少しだけ怒っていた。 だから素っ気ない態度をとっていたのだ。 だってそうでしょ? 元々はまるひよこさんが悪いから、こんな目にあっていたのだけど、高利貸しをして酷い目に合わせた張本人となんて仲良くできる筈もない。 ラフェイリのことは乗り掛かった船。 確かにラフェイリを救えたことは嬉しいけど… 今回はわたし達は洞窟は逃れられた。 だけどエンドゥは、わたし達とは違う誰かをこれからも同じ目に合わせるはずだ。 わたしは仲良くなんかなれない。
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