魔界崩壊

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悪夢の洞窟生活を終え、ラハルトの自宅へ戻って1週間。 普通にお風呂ができて、食事が摂れて、仕事に勤しむことができる事が、なんて幸せなんだと噛みしめて毎日の生活をしていた。 一方のまるひよこさんも、あの家を買うきっかけとなったジョーさんの噂の真相を知ったあとは、家を買いたい衝動もなくなったのか、いままでと同じように穏やかな毎日を一緒に過ごしている。 そして今日は朝からワクワクして冒険者の仕事である討伐の準備をしている。 「まるひよこさん、今日は少し大物の魔獣討伐に行くんでしたっけ?」 「うん。大型魔獣ケルベロスの子供みたいな奴なんだけど、小さいとは言え凶暴だから気をつけてやるぞ」 「フォンティナさんもマリアさんも一緒なんですよね?」 「うん。一緒に行くぞ」 「久しぶりのパーティーですね!懐かしくて嬉しいです。それにあの二人が前衛の安心感ったらないですね」 「そうだなー。ギルド会館で出会った奴らとの野良パーティーの時の不安ったらないもんな」 「本当にその通りですよね!」 討伐の場所までは、歩いて半日かかる。 途中には街と村もないから、マジカルバックにはオーエルンと一緒に早朝から張り切って作ったお弁当を5人分詰め込み今か今かと、フォンティナさんとマリアさんが来るのを待っていた。 落ち着きがないわたしを見て、オーエルンもまるひよこさんも呆れた様に見ているけど関係ない。 楽しみなもんは楽しみなのだ! そして玄関の扉がノックされる音が聞こえた。 「来た!はいはーい!いま開けまーす!」 部屋の中を走り、玄関を勢いよく開けるとそこには思いがけない人が立っていた。 「おはようめぴこちゃん。アリシアはいるかな?」 そこにはいつもの真っ赤な鎧姿ではなく、きちんと正装をしたジョーさんが立っていた。
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