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「ジョーさん!お久しぶりです!」
「やぁ久しぶり。元気そうだね」
突然のジョーさんの来訪だ。
いつもと違う服装だし、なんかどこかのパーティーにでもお呼ばれついでに、まるひよこさんに会いにきたのだろうか?
しかし振り返って見てみると、まるひよこさんの姿は何処にもなかった。
「寝室に行ったのかもしれません。いま呼んできますね」
「うん。お願いします」
オーエルンにお茶の準備をさせて、リビングのテーブルへと案内したあとに、まるひよこさんの寝室をノックした。
だけど全く反応がない…
何度ノックしても、返事が聞こえなかった。
「ま、まるひよこさん…?入りますよ…?」
まさか倒れてるんじゃないかと心配しながら部屋へと入ると、布団を頭から被り、いまにも泣きそうな顔でこちらを見ていた。
「まるひよこさん?なにしてるの…?ジョーさんが来てますけど…」
「バレたのかも…」
「…はいっ?」
「ラスベイガンスの件…バレたのかも…」
「……いまさらなんですか?」
バレたらどうだと言うのだろう?
元々豪快な性格だと、ジョーさんだって長い付き合いで知っているはずだ。
まるひよこさんがそれ以上の事をしでかしたとしても、あのジョーさんの事だ。
"まぁアリシアだしね"
で終わると思うのだけど…
「取り敢えずリビングに行きましょ…」
「ヤダ」
「待ってますし…」
「ヤダ」
「わがまま言わないで…」
「ヤダ」
こ、この野郎…………
「いいから行きますよっ!」
「ヤダヤダヤダァ!」
布団をひっぺがして、強引に連れ出そうとしても、駄々っ子な子供が手足ジタバタする様にして抵抗された。
暫く格闘したが全く動く気がなく、わたしが困っていると
「おねぇさまおねぇさま。マリアおねぇさまと、フォンティナおにぃさまがきましたけど、どうしますか?」
そうオーエルンの声が部屋の外から聞こえてきた。
もっとも頼れる人がきた!
1度部屋をでてみると、フォンティナさんはジョーさんと談笑しながらお茶をしていたが、マリアさんに手招きされて"外へ出よう"と誘導された。
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