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「おい…っ」
小太郎の足を跨ぐこの体勢はちょっと勘弁してほしい。
ケツに何か当たってる。
咄嗟に逃げようとしたが、ガッチリと腰をホールドされた。
「冬夜ー」
甘えた調子で胸元に顔を埋めてくるが、俺は騙されないぞ。
「服の中に手を突っ込むな、ケツに妙なモンを擦りつけてくるな!」
「えへ」
「何が「えへ」だ!」
「だって冬夜、いい匂いするし」
「風呂に入ったからだろ。つーか、お前も入っただろうが」
「俺の服着てるし」
「シャツを洗濯中なんだから仕方ないだろ」
「二人きりだし」
この会話をしている間も暴れているんだが、シャツのボタンを外され、スウェットを引き下げられで肩出し半ケツのヤバい恰好にさせられてしまった。
「ぅわっ!?」
小太郎の意外にゴツい手が無遠慮に尻を揉んできた。
早い。手が早すぎる。
さすがだ、この元遊び人。
とにかく離れようと腰を浮かせた瞬間、スウェットと下着を膝までずり下げられてしまった。
「げっ、ちょ、待て、って!」
小太郎の肩を押しやろうとした反動を利用されて逆に床に押し倒され、完全に下を脱がされた。
思わずポカンとしてしまった。
馬鹿なんだろうか、俺。
さっきから逆効果なことしかしてない。
いや、違う。
小太郎の脱がせテクが馬鹿みたいに高いんだ。
「あっ」
膝を開かされて、間に小太郎が入り込んでくる。
小太郎を挟み込む体勢に、顔が熱くなっていく。
視線を上げると熱を含んだ小太郎の目とぶつかって、抵抗すらできなくなってしまった。
「逃げないで」
真っすぐに見つめられて、心臓が痛いくらいに早くなる。
指先が俺の唇に触れて、ゆるりとなぞった。
「俺、もう我慢できない、冬夜を抱きたい」
「っ」
ほんの一ヶ月前なら、速攻で小太郎を叩きのめしていた言葉だ。
それが今じゃ、心臓バクバクさせて顔を熱くさせてるんだから、自分でも信じられない。
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