#001.「ツンとデレの境界線」

4/9
前へ
/68ページ
次へ
すると神谷さんがトコトコと俺のそばに寄ってきて、その距離はわずか数センチにも満たないほどだった。 そのことに胸の中で加速するドキドキ感に、慌てて痛むその箇所(むね)を抑えた。 まじでドキドキで壊れそう1000%ラブ状態である。 神谷さんに聞こえてないか、伝わってないかなんてベタなことを不安に思いながら、同じように少し体を神谷さんのほうに寄せた。 神谷「ねぇ、小野くん」 小野「なんですか?神谷さん」 神谷「見て、これ」 小野「…それ俺のキャラじゃないですか…しかも2人いるし」 どういうことか、神谷さんがずいっとスマホの画面を俺に見せてきて、そこには俺がCVを担当しているしかも限定バージョンのアポロが表示されていた。 神谷「僕さ、今度新キャラで出ないかって話を頂いたんだけれど、どんなものか気になって始めてみたんだ。で、ガチャ?引いたらさ、二連続で小野くんのキャラが来てびっくりしたよ。小野くんもやってたんだって。あ、ちなみに煌牙かチェシャ猫狙いだったんだけど」 小野「そうですね、確かログインボーナスで初登場したかな」 神谷「へぇ~そうなんだ。小野くんいるなら受けてみようかな」 小野「(´゚Д゚`)」 神谷「…(¬_¬)あっ」 ま、待て!待つんだ、そして落ち着くんだ小野!! いいいい今、聞き間違えじゃなければ! 神谷さん、俺がいるなら良かった的なニュアンスで言わなかった?
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加