#001.「ツンとデレの境界線」

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途端に大人しくなった神谷さんの顔を見ると、俺のことを唇を尖らせて拗ねながら上目遣いで見上げていた。 か、可愛い…(*´ー`*) なんだかこうしていると、ちゅーしたくなるってかしそうになる。 神谷さんって本当、自覚ないだろうけど誘い受けって感じだよなぁ。 そんなに顔を朱色に染めて、拗ねたように唇を尖らせて、終いにはピッタリと身体を寄せて密着させてくるとか…。 俺に襲われてしまうぞ、とか理性の隅っこで思うけれど、本気でそんなことしたら嫌われてしまうからしない。 ただ頭を撫でて優しく微笑むだけ。 するとなぜか神谷さんも、少しだけ微笑んでくれる。 なんだろう。 二人の間に…いや、空間に漂う、ホイップクリームみたいに甘ったるいような感じは…! とても心地いいような、くすぐったいようなそんな感覚が、俺の鎖骨辺りをふわりと襲う。 ほんとに、このまま見つめあっていたらやばいかも。 ーートクン、トクン。 しばらく見つめあったまま、二人とも静かに微笑み合いながら、その空間にしばらくの沈黙が訪れる。
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