-ユリコとのドライブ-

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 「…寿さん、立派ね…その歳で、上場企業の社長秘書の職に就いて…」  私は、  「…」  と、無言。  ユリコの狙いがわからない。  「…学歴もなく、コネもなく、その美貌と運だけでその地位まで上がった…ひ とはそう見るでしょうね…」  「…」  「…でも、アナタは美貌と運だけで、その地位に上がって来たわけじゃない… そう、田中角栄が中卒だったけれど、お金がないだけで、お金があれば東大に行 けたのと同じ…」  「…」  「…寿さん、アナタを見ると、羨ましいわ…私もアナタのようにキレイに生ま れたかった…コレ、お世辞抜きで本当よ…」  言いながら、チラリと私を見る。  
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