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「火事で焼けてしまい、今は内野と呼ばれております」
「そうか、荒れ果てていようが行って見たい」
昨日と一緒だ。また氏真が余計な事を思い出して、案内の者が余計な事を吹き込んでくれる。
案内の者は今来た道を引き返して少し南に下った所に一行を連れて来るとこのあたりが大内裏の跡地だといったが、ただの野原だった。またやるのか。
「大内裏だった内野は荒れ果てて人影もない。ヒバリがさえずりキジが鳴くばかりであるか……。うむっ! 一首浮かんだ」
何もない所から歌をひねり出すこの才能を武略に使えばこの殿はえらくなるのに……。
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