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舟岡のなゝの社ならひの岡紫野なと見物
晴れ渡る霞の海の朝なきにまほ顕るる舟岡の山(1‐54)
いつくにかならひの岡の春霞松を残せる夕暮の色(1‐55)
七の社見れば一本の枩計外は霞や立かくすらん(1‐56)
「腹が減った。中食にいたそう」
ひとしきり名所探しをした後氏真の言葉で船岡山で弁当を広げた。食事を終えた氏真はすっかりくつろいだ表情で敷物の上に寝転がり、頭の後ろで手を組み空を眺めた。
「今日も無駄骨が多いのう……。まあよいか、この長閑な日にすみれの花など見ながら野遊びするのも風流……。うむっ!」
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