星霜を越えて

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あれから何年経ったのだろう。 十年? 百年? それとも千や万のオーダーか。 遥かに超えて、億や京、垓(ガイ)。 聞いた事も無い、抒(ジョ)、穣(ジョウ)、溝(コウ)、澗(カン)、正(セイ)、載(サイ)、極(ゴク)。 インドの聖なる河、ガンガーの砂の数を現すと言う恒河沙(ゴウガシャ)。 極めて大きいな数量、那由多(ナユタ)。 数えきれない数を現す、不可思議。 それすら超えた、無量大数。 天文学的な数字だ。 人の生きる長さじゃない。 神が存在するなら何故と問いたい。 馬鹿げた時を生かされる俺は、もう人では無い何かなのか。 俺は何故こんなにも彷徨うのか。 同じ様に見えて、少しずつ違う時間の中を繰り返し。 時を空間を、世界の狭間すら超えて、出会い、別れる。 「遠くて近い。広くて狭い。 世界なんて、世間なんてそんなものだよ」
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