いち

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俺が15歳の頃、この家の当時の当主は、親父の腕を見込んで護衛に雇ってくれた。 おまけに俺を学校に行かせてくれて、俺を現当主、当時の次期当主付きの騎士にと雇ってくれた、とても良い人だった。 勿論、現当主も俺を友人として信頼してくれて、ただの上下関係では無い仲だ。 その為か、前当主は俺の事を気に入ってくれて、自分の娘の婿にと言ってくれた。 当時妻にはブクブクと太った貴族のジジイが求婚してきていて、妻はそんな男よりは俺の方が随分とマシだと俺と結婚したのだが。 結婚してみれば妻は我儘で自分勝手な女だった。 美しい貴族令嬢が俺の妻になると舞い上がって、彼女自身を見ていなかった俺の自業自得と言われればそうなのだが。 こんな筈では無かったのに。
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