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俺はそんなラローシュにお礼を言って、手で受取らずにそのままラローシュの手からサンドイッチに齧り付く。
「ん、美味い」
顔を上げて微笑み返せば、ラローシュは真っ赤になって、あーん、って……と呟いている。
なので俺も皿からサンドイッチを一つ取ると、ラローシュの口の前に差し出す。
「あーん?」
するとラローシュは益々赤くなりながらも、あーんと口を開けてサンドイッチに齧り付いた。
そうして恥ずかしがりながらもお互いに食べさせ合い、バカップルぶりを堪能したのだった。
そして。
食べ終わると、ラローシュが俺に言う。
「ダン、ゲンさんと話をしてきなよ。明日の朝もう帰っちゃうんだから」
え。
あー、確かに話さないととは思うけど、それはこのタイミングででは恥ずかしいぞ!?
躊躇う俺に、もう会えなくなるんだよ、と悲しそうな顔をする。
「それに雇い主にも挨拶が必要なんじゃないの?」
続けて言われ、ハッとする。
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