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「そうだな……話をしないと、か」
乗り気ではない俺に、ラローシュが首を傾げる。
そして俯いてしまった。
「やっぱり、帰る?」
ラローシュが、俺の歯切れが悪いのは、やっぱり此処には残らずに帰るつもりだからだと勘違いしているようなので、あの女の事は言いたくなかったが、妻だった女が当時の雇い主の娘で今の雇い主の妹だった、と話す。
「あんな女でも雇い主の妹だ。亡くなって直ぐに、しかも男と結婚するとは、流石に言い難いかな、と思っただけなんだ。でも帰るつもりは無いから、話してこないとな。俺はラローシュとずっと一緒に居たいって」
俺の言葉にラローシュは、赤くなりながら、俺も一緒に話して謝る、と小さく呟いた。
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