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ラローシュに案内してもらい、親父と雇い主である義兄と義父が居る部屋に行く。
ノックをすれば親父が出て、俺達を見て破顔する。
そして中に招き入れると、義父と義兄が座るソファーの向かいに座るように促された。
親父は横の一人用の椅子に座る。
すると義兄が口を開いた。
「ゲンから話は聞いた。その顔は此処に残る事を決めたんだよな?なら、お前との契約は解消する。が、離れていても友である事は変わらない。あんな妹の事は忘れて、幸せになってくれ」
微笑んで言う義兄のその隣で義父も、今まで有り難う、と、失うのは惜しいがどうか幸せに、と頷いて言ってくれた。
その言葉に俺は深く頭を下げる。
「有り難うございます。これまで散々良くしてもらっておいて、俺の我が儘で恩返し出来ないまま離れる事をお許し下さい。俺はどうしてもラローシュの側に居たいのです。済みません。彼女とは築けなかったものを、これからラローシュと一緒に作っていきます」
するとラローシュも頭を下げて言う。
「ダンを引き離す事になってしまって済みません。でも俺にはダンが必要です。ダンの事は必ず守ります」
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