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そんな俺達に、義兄も義父も肩をパンパンと叩いて、本当に大切なものが見付かって良かったな、と、俺達の事を祝ってくれた。 本当に良い人達だ。 罵られて軽蔑されても仕方無い状況なのに、俺達の幸せを願ってくれている。 この人達ともう会えなくなるのは悲しい。 けれど、ラローシュの方が大事だから、俺は此処で生きていくと決めた。 「今まで有り難うございました。どうかお二人もお元気で」 涙声になってしまったが、やっとそれだけ言うと、ラローシュが続ける。 「あなた方に幸運が訪れますように、祈りと共に森の加護を」 そう言うと両手をお椀のようにして、現れたキラキラしたものを二人に吹き掛けた。 同じように親父にもキラキラを吹き掛けて、ラローシュは俺によく話すように言い残すとお辞儀をして部屋を出ていってしまった。 え、俺、残されてももう言いたい事は言っちゃったんだけど? ポカンとする俺に、三人は、置いていかれてやんのー、と涙を流しながら爆笑していた。
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