勇者たちの朝

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まずい!まずいよ・・・押されまくって体の自由が利かないよう・・・。 あたしはいろんな意味であたしの通勤史上かつてない苦難に襲われていた。 かろうじてつり革奪取には勝利したものの・・・背の低いあたしは、人の波に翻弄され、身体の自由が全く利かない状態だった・・・。 どうやら、半分身体が浮いているらしい・・・左足は、曲がったまま何か・・・というか、誰かの体にピンヒールのヒールを突き刺しているみたい・・・。 だって、動くたびに押し殺したような嗚咽が聞こえるもの・・・。 でも・・・問題は、体重を乗せた右足のつま先が・・・隣のスキン・ヘッドで革ジャンボウイの靴の上に思い切り乗っている・・・事。 ヤバい!ヤバい!マジヤバい!謝ろうにも、首は反対方向に向いていて動かない・・・。 ヤバい、マジヤバい!あたし・・・きっと、事務所かどこかに連れていかれて・・・いろいろあってから、香港かマカオに売られるかもしれない・・・。
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