余白

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吹き抜けていく風の音 人々の嬌声 その中に僕はいない 僕の隣は余白だけ ぽっかりとあいた穴のようなものが  心にも周りにも 大きな存在感をはなっている  写真の縁、手紙の隅、ノートの端、 それよりも大きな余白は何といえばいいのだろう? 考えるほど分からなくなってくる あるべきものを失くした理由 分かっていながら玉ねぎのせいだと自分に言い聞かせる ひと粒の滴 次の幸せに嫉妬するくらい君のことを愛していたと改めて気づいたよ  もっと愛をあげればよかった… もう遅いよね… 僕の中は君で満たされていたはずなのに この思いが消えてしまったらどうなるのかな …わからない 去っていく君の後ろ姿を追いかけることもできずに 舞い散る桜がうらめしいよ! 後悔ならいくらでもあるけれど 思い出も同じくらい大切なものだから 自分を責めるのもいいけれど 朝には前を向いていられるように… いつか僕にも笑える日が来た時に  大きな余白を埋め合わせられるんだ もしいつか会えたなら 君に「幸せ?」って聞くよ こんな恋は2度とできないと分かっているから…
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