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清凛さんの唇があたしの喉に触れ、その感触に全身がザワリと総毛立った。
頭が真っ白になり、背中に戦慄が走る。
思わず、
「ヤメテ!」
あたしは――、
清凛さんを突き飛ばした。
清凛さんは腕で自分の体を支えて、一瞬だけ驚いた顔をする。
あたしもすぐに我に返った。
「あ……ごめんなさい」
清凛さんはふと笑う。
「いいよ。緊張してるの?」
あたしは体を起こしながら、コクコクとうなずいた。
緊張とは、またちょっと違う、背筋を這い登っていくような、あれは嫌悪感だったけれど、気のせいだと思うことにした。
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