プロローグ

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プロローグ

キィーーーン! お昼のお弁当を食べていたあたしの耳に、突然、マイクが音をつんざくハウリングが聞こえた。 「全校諸君、注目!」 それから、それまでかかっていた音楽がプツッと切れ、力強い声がスピーカーから飛び出す。 「キャア! アラシ会長」 一緒にお弁当を食べていた坂上鮎香は、その声を聞くと、悲鳴をあげて飛び上がった。 スピーカーからの声は続ける。 「今日の放課後、新入生の歓迎会をやる。我と思うものは体育館に集合。なお体育館使用の運動部は、今日は強制的に休みだ」 魚住嵐志という名の生徒会長は、マイクの向こうで悪びれずに言った。 『……なんつう勝手な』 あたしは思わず呆れたが、鮎香は、 「アラシ会長サイコー」 右拳を振り上げて、ダンスでもしそうな勢いで喜んでいる。
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