2丁目のあなた

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「遅かったからエレベーター乗り間違えたのかと思ってた」 「いえ、あまりに綺麗なマンションなので見とれてました、すいません早くお弁当を届けるのが仕事なのに遅くなってしまって」 「全然いいのよ、こんな時間にありがとう」 女性は少し顔を傾けながら微笑んだ ちょっと、 反則 可愛すぎるんだけど、というより色気? やばすぎる 「綺麗なマンションでしょ?気に入ってるのこの部屋」 「すごいですね、こんなところで住んでみたいです」 「上がっていく?部屋の中も見せてあげるよ」 「え?」 何言ってんだこの人は、 バスタオル一枚姿の美人が、年ごろの二十歳の学生を誘惑しやがって 俺はこの手には乗らん、 話を変えなきゃ、 ・・・ 「あ、お弁当800円になります」 「あ、そうね」 女性は玄関の横に置いてあった財布からお金を取り出した 「はい、」 そう言って渡されたのは、1万円札だった
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