2丁目のあなた

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「おつりはいらないから」 「いや、それは困ります。ちゃんとおつり用意できるんで受け取ってください」 「じゃぁ私が個人的にあなたにあげる、こんな時間にわざわざありがと」 「それも困りますから、バイト中であることは変わりないので」 「それより部屋上がっていかない?ひとりでご飯食べるのさみしいでしょ?」 「だからそれもバイト中ですから絶対だめです、せめてそういうの誘うのはプライベートの時にしてくださいよ」 「へー、プライベートだとOKなんだ」 「いや、別にそういうわけじゃなくて...」 「じゃぁそのお金、プライベートのときにもう一度返しにおいで、」 「え?」 「あなたに個人的にあげたそのお金、もらって悪いと思うなら時間あるときにここに返しにおいで」 何をわけのわからないことを言っているんだろう この人は何がしたいんだろう 「じゃぁね、お弁当ありがとう」 そう言って女性は部屋の中へ帰って行った。 え?帰っちゃったよ おつり、どうしよう 俺がまたここに来るの? 冗談じゃない、こんな異次元の高級マンションに しかも名前もしらない人にお金を返しに来なければならないんだ
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