始まりの朝

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鏡の前に座り、セイラの花から抽出した香油を掌に垂らして髪に馴染ませる。 母から譲り受けたクセのないプラチナブロンドの髪を櫛でといてサイドで束ね、お気に入りの紫紺の結い紐でゆるく結ぶ。 化粧はしない。 兄から誕生日にもらったピンクのリップだけ。 引き出しに仕舞っていた腕輪と指輪、ピアスを付けておしまい。 用意していたバッグとフードつきのマントを持って部屋を出た。
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