始まりの朝

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窓から差し込む柔らかな朝の光で目が覚めた。 毛布と共にゆっくりと上体を起こして、ベッドに座った状態のまま両腕を頭上へ。寝ている間に固まった背中の筋肉も一緒に伸ばして首を回すとコキッと小さな音がなる。 窓の向こうには登ったばかりの太陽がまだ低い位置でキラキラと輝いている。引き寄せられる様にベッドから降りて日除けの布を片側に寄せ、全身で朝日を浴びた。 「新しい事始める朝がイイ天気なんて素敵ね」 声に出てしまうほどの高揚感に思わず笑みがこぼれた。 窓を開けると春特有の冷たく湿気を含んだ風が通り抜け、ぶるりと体が揺れる。長旅から帰ってきて、早々に寝てしまったが為にやや重たく感じる体。 寝すぎたかなぁ? 何気に今朝は忙しい。 早速準備に取り掛からないと…
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