始まりの朝

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体を動かし、魔力も使えばお腹も減るモノで、早速朝ごはんの準備に取り掛かった。 台所の作業台にあるコンロに火を付けてヤカンをかける。 お湯を沸かしている間に戸棚の青い扉を開け、ジャムとミルク、昨日収穫した甘味と酸味がクセになるワベリーを取り出す。テーブルに置き、次は赤い扉を開く。 そこからパンとスープが入った小鍋を取り出してそれぞれをお皿に。健康的な朝食の完成だ。 沸かしたお湯でお茶を煎れ、カップに注ぐ。輪切りのリモーネを浮かべると爽やかな酸味のある湯気が立ち上った。 花の蜜をちょっと混ぜて飲むのが好きなんだよね。 この戸棚も父の発明品。 青い扉には冷却、赤い扉には保温の魔方陣が描かれていて時間の流れも遅いから組み込まれた魔蓄石の魔力が切れるまでは入れっぱなしにしててもそのまま保たれているらしい。 魔蓄石は母のアイデアなんだとか。 この家機もちょっと頑張れば買える値段に設定されていて、発売してから暫くは品切れ状態が続いたと聞いている。 今では洗濯機も戸棚も生活に欠かせない物になり、娘としては誇らしい限りだ。
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