始まりの朝

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テーブルに準備が整うと同時に部屋の奥にある扉が開いた。 ボサボサ頭にヨレヨレのシャツを着た長身の男が目を擦りながら歩いてくる。 その人物は私の父、リャド=カールトン。こんな姿からは想像できないけれど、魔具に刻む魔方陣の開発者として一部の人達から羨望の眼差しを向けられるちょっとした有名人だったりする。 家の中では、やる気のない只のオジサンだけどね。 「おはよ、シーナ」 まだまだ眠そうな声だ。 「おはようお父さん。 準備できてるからシャワー浴びてシャキッとしておいでよ」 浴室へつながる扉の方へと誘導した。
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