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「いや、だから……ユノーに身体を返したいってのが本命だろうけど。シスターらしからぬ退廃的な趣味がバレて恥ずかしさのあまり──」
身も蓋も無く言ってしまえば言葉などなおのこと残らない。たっぷりの沈黙を費やして残るのは絞りつくされた疲労感だ。
「本気で言ってる?」
「もちろん」
長い年月をユノと過ごしてきた。彼女のことは誰よりもよく知っている。なにが好きで、なにが嫌いか。どんな刺激に弱いか。どんな誤解をされたくないか。
「──とは言えここまでする必要は無かったけどね。意識がないなら息止めないでしょ」
「?」
ユノを探す道中で術式はマフィンにかけてもらった。ユノの意識を引き寄せた状態で、媒体となる彼女の体液を拭ったその紙を破り捨てて魂を囲う。再び眠るのを妨害し、今度は逃がさない。
「従二一重」
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