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「あら、でしたらうちのソリティアを連れて行ったらいかがですか? 確か以前にもご一緒されたことがあるでしょう」
歯車の噛み合う嫌な音。
「おお、お願い出来ますか」
「はい。喜んで。人様のお役に立つのが私達の役目ですから」
「はははこりゃ有り難い」
はははふざけんな。
汚い。さすが商人。汚い。
ソリティアとて、わざわざ新しい布地を買ってボロ雑巾を作りたい訳ではない。修道服を仕立てるのに服飾職人に頼むまでの余裕がない以上、苦手な裁縫はユノに任せることになる。
自分はユノにお願い事をしておいて彼女からの頼みは断るなど、そんな我儘が通る訳がない。
トマスの言う当てがあるとは、ソリティアに護衛を呑ませる当てがあるという意味だったのだ。
橋が崩れていたなら周り道をすればいい。ソリティアに直接頼んで駄目なのならばユノを経由すればいい。橋渡しにすればいいと、そういうことだ。
嘘はついていない。
真実を語っていないだけだ。
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