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これはユノ自身気にしている、自覚していることで、言うなればある種の急所なのだ。
「それなら今回は私も同行します。もちろん賃金は頂きません。これなら文句はないでしょう?」
抑揚もなく返された提案はどちらかと言えば当て付けに近い。
それに腹が立つのならまだ言い合いにもなるのだろう。しかし、普段が大人しい分、見た目通りの子供染みた意地の張り方は妙に板に付くというか似合っているというか。
「うん。一緒に行こ」
「あれ?」
なんだか妹を見守る姉にでもなったような気持ちにさせられて、ユノの同行を快諾したのだ。
断ったら断ったで、今後この手の話が出た場合に自分が請け負わなければ筋が通らない。考えようによってはいい機会だ。
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