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それでもソリティアは修道服を選ばない。 服がボロボロということやユノがいればこと足りるといった理由もあるが、彼女が修道服で歩いていても、何故か地元以外では「目をつけられない為にシスターに(ふん)した訳あり娘」と見られてしまうのだ。 もちろんそんなことはないし、毎回話しているこちらまで眠たくなるような長々とした講釈の末には皆納得してくれる。 しかし、あまりに不信に見られることが多く開き直って最初から町娘の格好をしたところ、これはこれで違和感があるらしい。仕草の(はし)に職業柄の癖でもでるのか、何らかの理由で一般市民に扮した聖職者、と見られるようになったのだ。 一周回ってシスターに見られるのはいいが、やはり腑に落ちない気持ちはある。それが顔に出ていたのか、ユノが繰り返し指摘してきた。 「変よ」 彼女は根っからのシスターだ。基本どこに居ても嘘をつかないので実際にそう思っているのだろう。
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