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誰が? という戸惑いは直ぐに消える。 目の前に少女がいた。 今宵いつかの幻影だろうか。突然現れたその少女はまだ幼く、腰まで伸ばした髪は金よりも淡く銀に近い。理知的な瞳でこちらを見つめている。 「……ユノ?」 ソリティアが間違うのも無理はない。それ程までに、彼女はユノによく似ていた。しかし、そうではないことをマフィンは察していた。 ソリティアによく似たユノの幻影を見た。ならば、ユノによく似た幻影の正体が誰であるのか、押して図れるというものだ。 「……ソリティア」 「私?」 幻影の少女は小さく笑い額に指をあてて(うつむ)きがちに首を振る。 「確かに私はソリティアだけどなんだか紛らわしいね。私のことは……うん、『ユノー』と呼ぶといいよ」 「それはそれで紛らわしいけど……」 どこか気の抜けたようなやり取りに、しかし、はたと思い出す。 「そうだ、あんたがユノじゃないならユノを探さないと」 「ああ、それなら急ぐことはないよ。もう手遅れだから」 「……なんだと」 平然と言い切るユノーに感情の矛先を向ける。
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