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考えならある。
大人なら無駄と諦めてしまうようなか細い藁であったが、子供だからこそ、まだそこにすがることが出来る。希望を見いだすことが出来る。
「ノックスまでいけば……あの街にいるという錬金術師ならきっと治せるから……」
精霊から力を借りるのではなく、精霊に力を与えて共有する錬金術ならば、理論上はこの病にも効果があるはずだ。
例え眉唾物と噂される神霊術でも、後ろ指を指されるような者達でも、今のソリティアには賭けてみる価値がある。
「だから……」
たどり着くことが出来ればまだ希望はあるのだ。なぜあと一日早く決断をしなかったのか。在りもしない奇跡のような未来を待ってしまったのか。
「頑張ってよ……お願いだから……ユノー」
体重は変わらないはずなのに、意識を失った人間というのは殊更に重く感じる。ユノーからの返事はなかった。
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