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マフィンからの返事はなく、ならばソリティアからも聞かない。やるべきことは分かりきっている。 ソリティアが地面に落ちていたナイフを拾うと、マフィンが慌てて反応した。しかし、結局は何も言えずに差し出した手をさ迷わせる。 馬鹿なことは考えるな。 そんなところだろう。触れた瞬間に壊れてしまうとでも言いたげな不安と恐怖が顔に書いてある。 誤解もいいところだ。 ナイフを捨て、代わりに首から下げたロザリオを握った。というか、ナイフがロザリオの代わりだったのだが……それを木に打ち付けると高い金属音が森に鳴り響く。 「こっちのセリフなんだよなぁ」 少し離れた場所に感じるユノの反応を目指して歩きだした。
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