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「ユノ……」
そっと呼び掛けてみたが彼女からの返事はなく、しかし胸が上下しているので息はある。
ユノーが前に歩み出てユノの傍らに膝まづく。
「あとは、任せたからね」
その身体が光の粒子となり、ユノの中に吸い込まれていった。
ユノは目覚めない。
ユノの魂とユノーの魂。その二つが一つの肉体に宿り共存している。ユノを目覚めさせる為には、同等の存在として顕現している彼女等の意識から、ユノだけを引き上げて安定させなければならない。
どちらが肉体の主導権を握るのかという話だ。
普通ならば誰にとっても譲りがたい物の筈が、今回に限ってはお互いにその椅子を譲り合っている。
自身の価値をないがしろにして、魂の座は空席のまま肉体だけが放置されているのだ。
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