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ユノの身体をそっと抱き起こし、上半身を膝の上に寝かせた。 「──だったら。私が貰ってもいいよね」 顔をぐいと引き寄せて(ささや)くソリティアに、いち早く怪しげな異変を察したマフィンが声をあげる。 「──っ?! なにをっ」 「眠り姫を目覚めさせるのは古今東西ひとつでしょうに」 ともすれば、微笑さえ浮かべながら止める間も躊躇(ためら)いもなく、ユノとの距離がなくなった。 無抵抗の彼女に(あらが)う為の意識はなく、あったとしても拒んだかどうかは疑問ではあるが、そこにはある種の契約的な儀式でも行われているかのような雰囲気があった。 「……」 「……」
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