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ノークの占いには確かに難解な部分がある。考えさせることでユノに言葉の意味を深く意識して欲しい。という意図(いと)もあるのだろうが、あれは錬金術師の(さが)みたいなものだ。 「誰にでも使える知識は悪用されると大変だからね、真意を隠す癖があるんだよ」 使用者が限られる精霊術や魔精(ましょう)術でさえ、書に記される場合は暗号化されるか口伝による物が多い。 「最初に言わなかったっけ?」 「?」 「彼、『(げん)』を担ぐの」 ユノはぽかんと口を開けて狐に摘ままれたような顔をしていた。生憎と本物の狐はいないので代わりにつねってやる。 「いひゃっ、やめへ、はらしてくらはい」
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